2020年富山県地方財政セミナーを開催
2月18日に自治労とやま会館において2020年富山県地方財政セミナーを開催しました。講師に公益財団法人 地方自治総合研究所 研究員 飛田博史さんをお招きし「2020年度政府予算と自治体財政について」と題して講演を受けました。
最初に、地方財政計画(以下「地財計画」)は、一般会計の地方財政収支見通しを公表するもので、おおむね2月初旬に閣議決定される。地財計画は、各自治体の交付税算定に大きく影響するともに、財源保障の対象となる政策的経費や新年度予算案の根拠となる一般財源総額の見通しが明らかになる重要なものであることなどを話されました。
2020年度地財計画のいくつかの特徴点として、前年度比1.3%増の総額90.7兆円となったが、官邸主導の政策よりも、地方のニーズを踏まえた経費の充実が目についており、官邸枠(まち・ひと・しごと創生事業)対総務省枠(地域社会再生事業)という構図ともとらえることもできる。似たような構図は不採算地区の公立病院の特別交付税措置でも見られた。総じて、人口減少社会における自治体の将来像が議論されるなかで、自治体の窮状を支える財源措置の方向が見て取れる。
しかしながら、偏在是正効果による経費計上については、地方創生を唱えながら、東京圏の社会経済一極集中を容認し、東京圏のあがり(税収)を地方圏に還元する構造を固定化するだけなので問題である。
いずれにしても、今回の一般行政経費単独事業の充実を受け、ポスト「まち・ひと・しごと創生事業」へ向けての備えとして、人口減少社会のなかで、一般行政経費や維持補修費などを充実させるための根拠を積み上げ、地方の取り組みの実態を国に突き付けていくことが求められていると指摘されました。
参加者は、自治体財政を左右する大切な地財計画であり、熱心に講演に聞き入りました。