県内農産物直売所の調査報告会を開催
2023年3月18日、自治労とやま会館において、2021富山県内農産物直売所の調査報告会を開催しました。これは当センターの農林部会が2021年4月から2年の時間を費やして県内の農産物直売所のほぼ全カ所を対象にアンケート調査を実施し、その分析に基づき、典型的なタイプを抽出し、聞き取り調査を実施した結果の報告をしたものです。
当日は、農林部会のメンバーである高岡法科大学の石川教授(当時)から「地域再生の拠点を探る『2021富山県内農産物直売所 調査報告』と題して本調査の報告を行いました。報告では、農産物直売所が農村活性化なり地域再生のための拠点となるのではないかという仮説から調査を始めたことや農産物直売所を商業型、コミュニティ型、生産者(出荷者)福祉型に類型できること。もちろん、いくつかの類型にまたがることもあること。また、課題と提案では、①潜在的な出荷者の掘り起こしが必要なこと②福祉機能の拡充が必要なこと③交流・学習の場としての役割・機能の拡充が必要なこと④品揃えを含む需給調整の拡充が必要なこと⑤食品衛生管理への対応支援が必要なこと⑥セーフティネット機能の拡充が必要なことを訴えました。そして、まとめとして、農業には「専従者だけではない人間」も必要!農業の「関係人口」を維持あるいは増やして、相互に支える関係をつくらなくてはならない!としました。
続いて、パネルディスカッションが行われました。パネリストには、NPO法人山田の案山子から若林秀美さん、みずの里市から舘紀子さん、農業者として義浦英昭さん、そしてコーディネーターを石川教授が務めました。パネルディスカッションは会場の方も交えて活発に行われました。地域と一体となって取り組んでいることや地域の大型店が撤退し、空き店舗が増えている中で地域のにぎわいを取り戻すために直売所を始めたこと、地域の交流の場になっていること、直売所に来ることを楽しみにしている方が多くいること、その一方で、直売所への出荷者が減少していることや品ぞろえに苦心していること、農地の基盤整備がされ一枚の田んぼが大きくなり野菜を作るのに適した畑が減少していること、食品衛生法が改正され加工品の出荷が困難になっていること、などの悩みも出されました。
本調査の報告書は、本冊とダイジェスト版を当センターのホームページに掲載しています。是非ご利用下さい。
報告書/【ダイジェスト版】農産物直売所にかかる意見交換会
報告書/農産物直売所にかかる意見交換会