行財政部会が 研究会「感染症対策の法的検証」セミナーを開催

7月27日(火)、自治労とやま会館において、行財政部会 研究会「感染症対策の法的検証」セミナーを開催しました。

このセミナーでは、自治体は新型コロナウイルス感染症対策においてどこまで主体性を持つべきなのか法的な観点から検証するため、医事法研究者の石田瞳高岡法科大学准教授から講演いただきました。

1999年4月に施行された「感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)」は、国が「感染症」への対処について判断だけを行い、それに基づいてそれぞれの都道府県等が、その保健機関によって専門的・実務的に対応するという構造になっています。新型コロナウイルス感染症の流行当初は、こうした対応がとられていました。しかし、全国知事会等が国が主導して対応することを求め、新型コロナウイルスは新しく未知の病原体ではないため適用外とされていた「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を改正して対応することに舵が切られて今日に至っていると、石田先生から解説がありました。

現在もなお、第5波が拡大している状況ですが、感染拡大の3要素である「病原体」、「感染経路」、「免疫を獲得していない人間」が接触することを徹底して抑制しなければ、いつまでもこうした状態が続きかねません。蔓延防止措置を強化するほど生活や経済が制限されますが、政府や自治体は、一定の非難を受けることを覚悟して対応することが必要ではないかと指摘されました。

講演後に、参加者からの質疑にも応えられ、罹患した方たちの事後のケアも重要な課題であり、今後、別の新たな感染症が発生した場合に対応していくためにも、今回の対応がどうだったのか、きちんと総括することが求められていると締めくくられました。